『 帆筏プロジェクト on  琵琶湖 』 2021

 Making & Using Raft with Sail / PLAY with BIWA LAKE

 

 琵琶湖の近くに住むようになり、ふとした時に湖を目にする生活が始まった。今では漁船や釣船、観光船をチラホラ目にするくらいで静かな湖面だが、かつては湖岸に湊が点在し、人や荷物を積んだ大小様々な舟が盛んに行き交っていたことを知り、湖と密接に繋がった人々の営みとその活気溢れた湖上の情景に心が踊った。そして、いつかワクワクするような光景を湖の上に作ってみたいと考えている。

 今回は手始めとして、湖を取り巻く自然や気候とコミュニケーションをとりながら、琵琶湖を遊ぶ/移動するための道具として帆のある筏を制作し、実際に琵琶湖を帆走したいと考えた。風を孕む<帆>の部分はお菓子の袋などの食品パッケージを縫い合わせ、<浮き>部分はペットボトルを繋ぎ合わせ、<本体>は竹をロープで組むなど、日々の生活の中で収集した身近な素材と手法を使って試行錯誤しながら制作。そして、帆筏づくりと並行して、一緒に旅する仲間を募り、風を受けて帆で進むためのセーリング技術を習いながら、琵琶湖での試乗と改良を経て、自作した帆筏で琵琶湖を南下するための準備を進めていった。現時点ではクリア出来なかった問題があり、今回の旅は予定より短い日数とルートで、滋賀県高島市新旭町木津浜から出発して、夜は浜辺に上陸してキャンプをしながら3日間かけて大津市北小松まで南下した。風のない時は櫂を漕いで進み、風が吹けば帆と舵を操作して風を受けながら湖上をグングンと走ることが出来て、"乗りモノ"を作った歓びを感じた。

 今後は、山から切り出した木材を川によって琵琶湖を通って都や主要部まで運んだ「筏流し」や、縄文期に作られ使われた大きな木を刳り貫いて作る「丸木舟」など、かつての湖岸の人々の生活や生業、舟運も絡めながら、引き続き河川と海との繋がりも視野に入れて次の展開を模索していきたいと考えている。人間が身の回りにある素材を加工して道具を作り出し、それらを使って自然に対峙し、自然の力を生かしながら移動したり生業や交易を行ってきたことを自分の身体を通して探っていきたい。

photo_Koji Tsujimura(1st,15th) Seiji Sano(11,12,13,14,16,17th)

『唯ぽーと:海辺の漂着物収集所』2020ー

@「ゆいぽーと自主活動プログラム  2020冬季  アーティスト・イン・レジデンス」

海の近くにある新潟市芸術創造村・国際青少年センター“ゆいぽーと”を拠点に、新潟市内各地の浜辺を歩き回って漂着物を集めながら、その背後にある人の営みや自然の営みを含めた壮大な繋がりや関係について改めて発見していくためのリサーチを開始しました。今回は、ゆいぽーと内のスタジオを「唯ぽーと:海辺の漂着物収集所」として1ヶ月間公開し、集めた漂着物を資料館のように展示すると共に、人・漂着物・情報などが〈港〉のように行き交う場を作りたいと考えました。これから、長期的なプロジェクトとして、多くの人たちに参加してもらえるような仕組みを作りながら、作品へと繋げていきたいと考えています。

 

photo (last 14 pieces) _中村脩(提供:新潟市芸術創造村・国際少年センター/ゆいぽーと)

『STORY OF THE CLOUDS』2015

PORT JOURNEYS SAN DIEGO⇄YOKOHAMA

Yui Inoue Artist in residence @San Diego 

7th May - 14th June 2015 at Oceanside Museum of Art, Several place of San Diego

 

世界のクリエイティブな港湾都市を繋ぐアートプロジェクトで、アメリカの西海岸サンディエゴに1ヶ月滞在し制作を行った。初めて会った人たちが笑顔で挨拶を交わし合い、おしゃべりしながら何度もAwsaome!と感嘆の声をあげる陽気な人たちに囲まれ、強い日射しと海風を感じながらどこまでも広がる高い空を見上げているうちに、この大きな空の下にSan Diego と横浜を繋げるような能天気な明るさの作品を作りたいなあと思った。そこで、カタチを変えながらどこまでも飛んでいける<雲>をモチーフに、現地で見つけたカラフルな電線やシャワーカーテンといった身近な素材をみんなで編んだり縫ったりしながら様々なかたちの雲をつくっては、強い海風を孕ませながら大きな空の下に浮かべていった。雲を通して生まれた物語が、雲とともに海や国境を超えてどこまでも広がっていくことを期待した。

 

ポート・ジャーニー・プロジェクト  PORT JOURNEY 

http://www.portjourneys.org/

電線・電話線、シャワーカーテン、ビニール袋 electric wire, shower curtain, plastic bag

 

PORT JOURNEYS SAN DIEGO⇄YOKOHAMA

井上唯 帰国展 @象の鼻テラス(横浜) 

2015/07/03-26

San Diegoでつくった雲たちが海を渡って、横浜へやってきた。そして横浜でも、みんなで一緒に新たな雲をつくり、雲で遊んだ。

『旅するキノコ   traveling mushrooms 』 2014ー

いつのまにか現れ、いつのまにか消えているキノコ。もしかしたら、キノコたちは旅をしているのかもしれません。あたりが暗くなる頃、キノコたちは囁くようにそっと光りはじめます。次は、どこに現れるのでしょうか。

photo_Syunya.Asami

『 旅するキノコin氷川参道 』OMIYAプロジェクト/さいたまトリエンナーレ2016市民プロジェクトとして

2016/11/19-27  @平成広場周辺(大宮)/制作アシスタント:岡嶋聡美

かつて大宮はキノコの名産地だったそう。今回は、参道でもあり、人々が行き交う生活の場でもある氷川参道の片隅にキノコたちが出現。SMF学校の「ヒカルキノコを作ろう」ワークショップでみんなが作ったキノコたちも生え揃い、夜の参道をほんのりとした白い光りでそっと賑わしました。

『 旅する小さな家がやってきた/旅するキノコ』

2015/11/19-24  @日本茶喫茶 楽風、青山邸(埼玉)/制作アシスタント:岡嶋聡美

 落ち葉の舞い散る秋の庭。アート空間デザインコンペで建築家チームが制作した<旅する小さな家>のまわりにキノコたちがひょこひょこと姿を現します。道を挟んだところにある青山邸にもキノコたちが現れました。

『 風と土の交藝 in 琵琶湖高島 2014』会期中イベントとして

  2014/ 11/28  @ 新旭水鳥観察センター(滋賀)

水鳥が集まる琵琶湖岸は、夜になると静寂と暗闇に包まれます。光っているのは空の星々とキノコだけ。


『 SMART ILLUMINATION YOKOHAMA 2014』会期中イベントとして                    

  2014/10/31, 11/01  @象の鼻テラス(横浜)

 

ワークショップで、参加者が思い思いのキノコを編んで、港の夜の風景のなかにキノコをそっと光らせていきました。草むらでひっそりと光るキノコたちの、小さなしゃべり声が聞こえてきそうです。

  photo_ AMANO STUDIO